吉備群書集成 第参巻 戦記部

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解説

吉備群書集は、大正時代に出版された吉備地方の過去の歴史資料、地誌、人物伝、その他をまとめたものである。全10巻から構成されており、岡山の歴史を知るための貴重な資料となっている。その中の第3巻 戦記部には、戦国期に備前、備中、美作地方が舞台となった合戦の記録が収録されている。
この第3巻 戦記部から、主要な戦記をスキャニングして、pdfにしたものをここに公開する。
奥付に書かれているように、大正11(1922)年発行、昭和7(1932)年再販発行なので、すでに著作権は消滅している。よって、ここで公開するpdfは、パブリックドメインとして自由に複製、再配布してもらってもかまわない。
それぞれの記録は、戦国期から江戸時代に書かれた古文書を整理し、活字化したものである。漢文の返り点が混じった旧字体で書かれているが、高校の古文程度の知識があれば読みこなせる内容である。

妙善寺合戦記(一名万燈記)

備中 三村一族と備前 宇喜 多直家の闘い。

MyozenjiKassenki.pdf                      12166579 byte 開く

備中兵乱記

戦国期、備中の覇者三村一族は、北は新見地方、南は児島地方までを支配していた。
しかし、戦国の梟雄 宇喜 多直家の謀略により勢力を削がれてしまう。
さらに、かつては同盟を結んでいた毛利家に裏切られて、攻め込まれてしまう。
その攻防の記録。

BitchuHyoran.pdf                          32882305 byte 開く

この戦記に関しては、以下の現代語訳が出版されている。

新釈備中兵乱記 ハードカバー 新釈 備中兵乱記 普及版

児島常山軍記(一名備前常山軍記又常山落城記)

前述の備中兵乱で、最後まで残った児島常山城の落城記。
この常山城は毛利氏の軍勢に取り囲まれ、孤立無援となった城主は自害した。残された城主の妻は、城内の侍女三十余名を率いて毛利軍に切り込んだ。少数で奮戦したものの多勢に無勢で追い詰められ、最後は、城内で全員自害した。

KojimaTsuneyamaGunki.pdf                  10282049 byte 開く

備前国人佐柿入道常圓物語(高松城攻物語)

備前藩士が、秀吉軍に従軍した古老から、備中高松城の水攻めの様子を聞取り、その内容を記録したもの。
敵の攻撃を避けながらの工事方法についての解説や堤の長さや高さ、取水口の場所など、具体的な場所や数値が記載されている。
また、一気に高松城へ水を送り込むために短時間のうちに川の流れを変えた方法は読んで関心した。
現在のような大きな建設機械がない時代に、人海戦術だけで、これだけ大掛かりで大胆な工法を実践していた知恵は学ぶ必要がある。
実際に、従軍した者にしかわからない細かな描写が書かれており、信ぴょう性が高い。

BizenKokujinSagakiNyudoJoenMonogatari.pdf  4699566 byte 開く